クロス職人の坂口です。(*^-^*)
今回は壁紙の謎の模様についてのお話。
写真にある模様。
皆さんのお家に出ていませんか?
これは織物クロスや紙クロスなどの通気性の高いクロスを張った際、
10年~20年で徐々に浮き出てくる模様です。
これを業界用語で「ラスマーク」といいます。
壁紙張り替え専門店として現場を回っていると、このラスマークによく出会います。
このラスマークが原因でクロス張替をご検討されるお客様が多いという事ですね。
織物クロスとか、紙クロスは通気性が高く、変色しやすい壁紙なので
クロスの表面が茶色くなって、ラスマークも出ているとなると、やはり張替を考えますよね。
現場でお客様にこの模様の原因を教えてといわれるのですが、
化学的な根拠は何も解明できておらず、僕達の下地処理材(パテ材)と
石膏ボードやベニヤ板の透湿性が関係しているのではないかといわれています。
また、糊の種類も関係しているといわれています。
壁紙の接着剤の製造工程は大きく分けて2種類あります。
化学的な処理を行って糊を創る「冷糊法」(れいこほう)
加熱処理によって糊を造る「煮糊法」
変色しない煮糊を使用して張ると変色がない=ラスマークを予防できるという話もありますが
僕は確実ではないと考えます。
やはりラスマークの対策としては
「下地の色を1色にしてしまう」というのが最も有効ではないかと考えられています。
その方法とは↓
①ヤヨイ化学から販売されている「カラーシーラームヘン」を施工箇所全面に塗布する。
一般的なシーラーは塗布した後は透明になりますが、
このカラーシーラーは白いペンキのようなシーラーです。
これで下地の色を均一にして、ラスマークを予防する優れものです。
はみ出さないように塗らないと、乾いてからは完全に除去するのが難しいのでしっかり養生して塗りましょう。
後は液だれ、ダマが表面に残るとそのまま固まって下地の凸凹として拾うので均一に塗りましょう。
薄いクロスの場合は、カラーシーラー塗布後にドライウォールサンダーで全面ペーパーがけをしたりします。
②「コアシート」を張る。
こちらもヤヨイ化学工業から発売されている「コアシート」
下地の下張りシートですね。これを全面に張る。この上からクロスを施工。
これだけでラスマーク防止になります。
コアシートは2種類あります。
ベニヤ下地に張る場合、灰汁止め効果のある「灰汁止めコアシート」を使用します。
ラスマークが出ている箇所を張り替える際、
塩化ビニル系のクロスで張り替えるならラスマークの再発は心配いりません。
やはり通気性の高い壁紙のみ注意が必要です。
通気性の高い壁紙は、織物クロス、再生紙クロス 和紙クロス、珪藻土クロスなどです。
ラスマーク。塩化ビニル壁紙が主流の現代では、事例が少なくなっているかとは思いますが、
まだまだ発生している住宅は多いと思います。
しかしラスマークが健康に被害を及ぼすことはないので安心してください。
ラスマークことを紹介した動画もYouTubeチャンネルでアップしているのでもしよければご覧ください。
動画はコチラ
ラスマークが発生している以上は、張替時期であることは間違いないので、是非壁紙張替をご検討くださいね!