クロス職人の坂口です。
今回は「パテ」の話をしてみようと思います。
「そもそもパテって何?」って思われる方、多いと思います。
簡単に言うと、クロス屋が壁の段差や凸凹を平らにするための材料です。
クロスを貼る前の“下地づくり”に使うものなんですね。
凸凹が目立つクロスの原因
先日お客様から、「他社でクロスを張ったけど凸凹がすごく目立つ」と写真付きでご相談をいただきました。
実は、壁って見た目よりずっと凹凸があるんです。90㎝ごとに石膏ボードが継がれているので、まっすぐに見えるのは“パテでそう見せているだけ”。
つまりクロスの仕上がりを左右しているのは、見えないところにある「パテの腕」なんです。
DIYではなかなか難しい「パテの世界」
最近はDIYでクロスを張る方も増えました。
でも、パテは見よう見まねではなかなか上手くいきません。
実際、職人でも毎日試行錯誤しています。
“これで完璧”という答えがなく、日々技術を磨き続けている――それがパテの世界です。
パテの種類と特徴
パテには大きく分けて2種類あります。
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硬化型パテ:決まった時間で固まるタイプ
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乾燥型パテ:自然乾燥で固まるタイプ
一般的には「下塗り=硬化型」「上塗り=乾燥型または硬化型」という使い方をします。
硬化型は“痩せにくく”て表面がカチッと仕上がる反面、水分の影響を受けた裏紙が浮くリスクがあります。
一方で乾燥型は痩せやすいけど、裏紙をゆっくり締めてくれるので張替工事では非常に使いやすい。
僕が信頼しているパテ「グランド」
乾燥型の中で唯一、“痩せにくさ”を感じたのがウォールボンドさんの「グランド」。
白と黄色がありますが、僕は断然「白」派です。
硬めに練ると、ビス頭の処理でもほとんど痩せません。
上塗り用なのにビスパテにも使える――まさに最強の乾燥型パテだと思っています。
最後に
今回もマニアックな話でしたね(笑)
でもこういう“見えない仕事”にこそ、職人の技術と想いが詰まっています。
もしこの記事を読んで、「この人、パテにここまで語るなら安心できそう」と思っていただけたら嬉しいです。
それがクロスエス坂口の“狙い”です。( *´艸`)