クロス職人の坂口です。
先日、海南市のお客様の現場が完了いたしました。
今回は、高級クロス織物クロスの施工でした。
サンゲツSGB2188という品番で縦柄の艶のあるかっこいいクロスです。(^^♪
今回は織物クロスの事を話していこうかなと思います。
まずは織物クロスのメリットを紹介します。
圧倒的質感、高級感
織物クロスはまさに絹、綿、麻等の天然素材を用いて製造されたもので、
今現在、壁紙市場の9割以上のシェアを誇る「塩化ビニル樹脂の壁紙」と比べても
その質感と高級感は雲泥の差。社長室や応接間、
ホテルのスイートルームなんかにも使用される理由も納得です。(^^♪
防音性、通気性、調湿性
織物クロスは音の反響を抑える効果もあります。
かつ湿気をコントロールして、通気性も高くてカビが発生しにくいというメリットも
織物クロスは静電気も発生しにくいので、表面にほこりがつきにくいのも特徴です
化学物質の発生が少ない
塩化ビニルの壁紙と違い、人体に影響があるとされている
化学物質を使用していないものが多いので、
化学物質過敏症やシックハウス症候群になる可能性が低く、生活環境を空気から変えてくれます。
では続いて織物クロスのデメリットです。
下地が透ける
織物クロスはその通気性の高さゆえに、
経年で下地の跡が出てしまうラスマークという現象が起きてしまう事例が多く見受けられます。
僕自身、織物クロスを元々張っていた現場に張り替えに行く際、たいていこの症状が出ています。
この現象がどうして起こるかというのが今現在、
メーカーに聞いても明確な回答はないんですが、これを予防する最善の策としては、
ヤヨイ化学さんから出ているカラーシーラーを塗布するのが1番有効ではないかと考えられています。
あとは新規の石膏ボードの壁に全面コアシートを施工してパテを消してしまうかですね。これは施工の手間が倍かかるので予算はかかりますがカラーシーラー特有の液だまりがないので綺麗に仕上がるのはコアシートでしょう。
水に弱い。手垢がつくと取れない
織物クロスは塩ビクロスのように濡れた布巾で表面の汚れを拭き取ることができません。
洗面室やトイレキッチンなどの水を使う部屋には不向きです。
汚れや手垢がつかないように注意しましょう。
塩化ビニルと織物壁紙の価格比較
塩化ビニル素材は92センチで1mあたり ¥200〜420円
織物壁紙は 92センチで1mあたり ¥2500〜20,000円までと
使う糸の種類によってかなり金額に幅があります。
1年前に施工した京都の老舗、「龍村美術織物」の1点ものの織物壁紙は
絹(シルク)を織り交ぜたクロスでした。1mあたりの価格が¥15,000。
壁紙だけで1反(50m)¥750,000です。
織物クロスの施工は難易度が高い
塩ビクロスの施工が10段階で3としたら
織物クロスの施工難易度は9!
その理由としては 施工中にに表面を汚したら終わり、
前述にもありましたが手垢が付いたら取れないんです。
なので現場の環境も綺麗に整えて綺麗な手で慎重に行わなければいけない。
通気性が高いので壁紙に塗布した糊(接着剤)がすぐ乾く。
すぐ乾くから施工のスピードもある程度求められる。
実際、今の20代や30代の若い世代の職人さんは、
織物クロスを張った事がないっていう方もいると思います。
それだけ織物クロスを貼る現場が少ない、経験できないというのが要因だと思います。
織物クロスは、高額にはなりますが、張り上がるととても美しく
お客様は感動してくださいます。
みなさま一度織物クロスも検討してみてくださいね。(^^♪