モルタル下地とシーラー処理
剥がして見えてくる真実
クロス職人の坂口です。(^^♪
先日、いつもお世話になっているマンションのオーナー様からご依頼いただき、
クロス張替え工事の初日に入りました。
初日の作業は既存クロスの剥がしです。
賃貸クロスは何度も張り替えられている
分譲マンションと違い、賃貸物件は入退去が多いもの。
そのため20〜25年も経つと、5回・6回と張り替えられているケースはざらにあります。
今回の現場も裏紙の状態から推測すると、6回目の張り替えでした。
剥がして気づいた「端部の剥がれ」
モルタル下地の部分を剥がしていて気づいたこと。
どうしても端っこが汚くめくれてしまうんです。
日々張替えをしていると「なぜこうなるのか」と分析するクセがついています。
今回の答えは明確でした。
最初に貼ったとき、シーラーを端まで塗っていない。
シーラーの役割と塗り方の落とし穴
モルタルはアルカリが強く、そのまま糊でクロスを張ると接着成分がやられてしまいます。
だからこそ、シーラーを塗って膜を形成し、吸水調整。アルカリから守る必要があるんです。
しかし実際の施工では、ローラーでコロコロするだけの職人さんが多いです。それでは端部にきちんと届かない。
だから責任施工の職人は、必ず刷毛で端を塗ってからローラーでベタ面を仕上げます。
これを怠ると、最初の1枚目から端部で接着不良が発生。
その上に2枚、3枚と重ね貼りしていくうちに、6回目ともなると「裏紙のミルフィーユ」が完成し、端部だけごそっと剥がれて凸凹になるわけです。
昔と今の考え方の違い
昔は「モルタルにシーラーなんていらん」「1年後剥がれてきても知ったこっちゃない」という風潮もありました。
しかし今はもう、それは通用しません。
現場で剥がせば一目瞭然。
シーラー端部処理を怠ると、後の張替えで必ず剥がれが出る。
クロス職人なら、最低限押さえておくべき知識だと僕は思います。
まとめ:端部処理が仕上がりを決める
クロスの剥がれは、結局どこから始まる?
答えは「端部」です。
だからこそ、シーラー処理の刷毛塗りは大切なんですね。
こうした一つ一つが細かいこだわりが今後の仕上がりの寿命を左右します。
クロス工事は新築時にどういう施工をしているかで、その後の劣化状況がまったく変わってくるんですね。
端部処理は細かい作業ですが、めんどくさがらずやる。
そこにこそ職人の責任と人間性が出る。
そう改めて感じた現場でした。
この件は詳しくYouTube動画にもしています。是非時間がある際に覗いてみてくださいね!