クロス職人の坂口です。(‘ω’)ノ
「正直者が馬鹿を見る」そんな言葉がありますが、
昨今の建設業界のシステムには似たような空気を感じ、このような言葉が頭をよぎります。
それは「丁寧な仕事をする職人さんほど損をする」です。(‘Д’)
例えば、新築の住宅で大工さんが1階と2階に分かれて施工に入ったとしましょう。
1階の担当の大工Aさんは、ものすごく時間をかけて丁寧な仕事をする職人さんで、現場の清掃、整理整頓、養生まできっちり、仕事はもちろん抜群の仕上がりです。
かたや2階の担当の大工Bさんは、仕事のスピードが速く、仕事の質も普通レベルで、現場の整理整頓もある程度は出来ている。
正直、建設の事を全く知らないお客様からすると、どちらが丁寧な仕事をしてくれる大工さんなのかは、初見ではわからないですよね。
2人の大工さんは、工務店からは同じ条件で仕事を請け負っているのでやはりスピードのある2階のBの大工さんが
ゆっくり丁寧な1階のAの大工さんよりも報酬を頂けるわけです。
もちろんスピードと仕上がりのバランスを考えられるBの大工さんも仕事のスタイルとしてはそこまで問題はないと思いますが、
それでもやはり、お客様からすると一生住む予定の家をきっちり仕事をしてくれるAの大工さんに誰もがお願いしたいはずです。
そして新築住宅の中の仕事で「Aの大工さんしかできない刻みの仕事」があった場合はどうでしょう?
その場合はAさんに特別な報酬を渡さないと、Bさんと同じ条件では不公平な気がします。
しかし正直そのような特殊工事も、1式の請負い金額に組み込まれている場合が多いのが現状です。
僕達、職人の仕事は一人一人が自分の色を持った技術職。こういった悩みは職人さんからよく話を聞きます。
手間暇かけたところで、報酬が同じならその手間を省いてスピード施工に切り替えるしかない。
綺麗な仕事をする職人さんは自分の仕事に誇りを持っている方が多いので結局手を抜けない。
工務店側からすれば限られた予算で、大工さんには現場をしっかり納めてもらいたい。
大手ハウスメーカーなどの大企業になればなるほど末端の職人さんの現状は見てもらえないんでしょうね。(;´∀`
しかし職人さんがいるから成り立つ業界であること、これもまたゆるぎない事実です。
僕は毎日現場に出ている職人でもあり、お客様と直接お話する営業マンです。
だから職人さんの気持ちも、下請けの工務店側の気持ちもよくわかります。
綺麗な仕事をする職人さんには、工務店側が仕上がりに対しての正当な評価をして、
その対価をいただける業界になっていくことを願うばかりです。