クロス職人の坂口です。(*^-^*)
今回は、壁紙の糊のお話。
壁紙の糊は、いろんなメーカーがしのぎを削り、たくさんの種類のものが販売されていますが、壁紙糊の2大メーカーといえば、
ヤヨイ化学工業と、ウォールボンド工業の2社に分かれます。
全国シェアでいうと、ルーアマイルドなどの主力商品でおなじみのヤヨイ化学が8割、ウォールボンド工業が2割ぐらいでしょうか。
勝手な僕の感覚ですが。(;´∀`)
ちなみにクロスエスはウォールボンド工業の糊を使用しています。
ウォールボンド工業は、群馬県にある会社です。自社の製品の良さをアピールするために営業マンが全国を飛び回っています。
また、社内では施工実験や研究に余念がなく、職人さんに何を質問されてもすぐに明確な答えが返ってくる、職人に寄り添ったメーカーです。
そしてウォールボンド工業は全国各地で職人さんに向け、施工講習会を主宰しそれと合わせて自社の製品アピールを行い、ひそかに勢力を拡大しています。僕自身も和歌山、京都、岐阜、大阪の講習会に参加した経験があります。
岐阜での講習会の写真
わざわざ時間とお金をつかって勉強しに来る「壁紙の変態の集いです」
壁紙の接着剤(糊)には固形の糊の固まりを水で溶いて使用する「希釈型」の糊と、水に溶かすことなく使用する「原液使用型」の2種類に分かれます。分類としては希釈型が壁紙施工用でんぷん系接着剤2種1号、原液使用型壁紙施工用でんぷん系接着剤2種2号に該当します。
糊は主成分が小麦由来のでんぷんでできていて、糊にはランクがあります。昔はでんぷんを窯で煮て糊を生産していたそうです。
今は「苛性ソーダ」という薬品を使用しその状況を作り出し、大量生産が可能になったそうです。
でんぷんのみでつくられた糊は安価ですが接着が頼りないです。
合成樹脂エマルジョン(ボンド)が入った糊は接着力が高く、価格もそれなり。
「壁紙なんてその時、綺麗に貼れていれば問題ない。糊なんてどれ使っても一緒!」
大手の下請け孫請けのクロス職人さんは買いたたきの被害者で、そういったマインドに陥りがちです。
そう、副資材にコストを懸けれないんですから自然とそうなります。
ヤヨイ社の安価な糊は、塩分濃度が高く紫外線の影響で変色しやすい。あくまでも個人の見解ですが。
紫外線、経年で糊の変色が進行し壁紙の表面に糊の成分が上がってきます。これも糊の粒子の大きさが関係しています。
要するに糊の粒子が細かすぎるんです。
ウォールボンド工業の糊は粒子が大きく、壁紙の裏紙のところで止まる。表面に上がってこない。そして糊の変色が少ない。
だからいつまでも壁紙の綺麗な状態を保てるんですね。本当に糊って大事なんです。(#^.^#)
今回の話はこの辺で。糊の話を書くと長くなるのでまた書きます。