クロス職人の坂口です。(^^♪
昨日は、和歌山県九度山町の某病院でクロスの張り替え工事でした。
いつもお世話になっている内装会社さんからのご依頼です。
今回の工事はモルタル下地で4回目の張り替え。
築浅の病院なのに張り替え回数が多い…これはやっぱり何かあるなと感じました。
モルタル下地とは?
モルタル下地というのは、セメント・砂・水を混ぜ合わせて作ったモルタルを塗って仕上げた下地のことです。
固まるととても丈夫なのですが、セメントが水と反応する
「水和反応」により強いアルカリ成分を持つようになります。
このアルカリ成分がクロス糊に悪さをし、接着成分を分解してしまいます。
そのため、モルタル下地のクロス施工では以下の処理が欠かせません。
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アルカリを抑える シーラー処理
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カッター跡を保護する 下敷きテープ
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メーカー指定通りの 規定糊の使用
これらを怠ると、施工後半年~1年ほどで「継ぎ目がぱっくり割れる」
「剥がれが出る」といったトラブルが高確率で発生します。
今回の現場で見えたこと
今回の現場でも、最初の職人さんはシーラー処理をしっかりされていました。
これはナイス!です。
しかし次の張り替えの職人さんが下敷きテープを使わずに施工してしまっていたため、
モルタルのアルカリ成分が糊を分解し、継ぎ目がぱっくりと割れる現象が発生していました。
さらにもう一つの問題が糊の希釈率。
クロス用の接着剤は固形を水で溶いて作りますが、
施工量を増やすために規定より1.2倍〜1.3倍も水で薄めてしまう職人さんがいます。いわゆる「シャブ糊」です。
これは接着力の著しい低下を招き、剥がれの原因になります。
実際に今回の張り替えでも、クロスの裏紙の層が簡単に取れる症状が見られました。
職人としての責任
本来は、メーカー規定通りの分量で、
エチレン酢ビ合成樹脂エマルションをしっかり含んだ糊を使えば、
下地にガチッと密着してくれます。
しかしそれらの糊は価格も高いため、経費削減で安価な糊を薄めて使う
「その場しのぎの施工」が横行しているのが現実です。
もちろん職人さんの気持ちも分かります。
せちがない世の中ですからね。(;^ω^)
でも結局は、その場しのぎや勢いの施工が職人全体の価値を下げてしまうことも事実です。
クロスエスはベストを尽くす施工を常に意識しています。
和歌山・九度山町での今回の病院クロス工事も、
しっかりと基本を守った施工で仕上げましたので、これから長持ちしてくれるはずです。
クロスエスでは、和歌山・大阪を中心にクロス張り替えや内装リフォームを承っています。
「壁紙がすぐに剥がれて困っている」「継ぎ目が割れてきた」などのお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。(^^♪