織物クロスの現場が今日から始まる。

クロス職人の坂口です。(*^-^*)

本日、月曜日から和歌山県紀の川市粉河町で織物クロスの現場が始まります。

今回、僕が触るのは、京都にあります「龍村美術織物」さんのクロス。名前からして超高級クロスって感じでしょ?

塩ビの壁紙では味わえない、高級な質感と圧倒的な存在感。初めて触る材料なので出来るだけ準備して挑みたいと思います。

 

まず天然素材の織物クロスは商品によってその特性がまるっきり違います。

いつも張っている塩ビの壁紙は縦の繊維が太く、糊の水分を与えてやると横に伸び縮みするのが基本ですが

天然素材の織物壁紙はその型にはまることなく、縦に伸びたり横にありえないぐらい伸びたり、めちゃくちゃ乾きやすかったり・・・

商品によって様々な特徴を持っています。

通気性が高いので糊の塗布量には注意が必要、濃すぎれば糊のはみ出るリスクが高いし、薄ければその通気性からすぐに乾いてしまう。

そして何より、高級クロスは失敗できないというプレッシャーとの戦いです。

張る前にはしっかり事前に準備します。まずは両耳にカットテープ、クロスに下敷きは無しです。まさかの生切り?違います。

有効幅91.cmで割り振り、壁に事前に下敷きを張りつけておきます。PP下敷きテープを二重にして水で張りつける。

糊で張りつけるアグレッシブな人がいますが、乾いて下地の損傷につながるので水張りです。

クロスが糊の水分を含んで伸びきった状態で貼りこみ、ジョイントは放置、乾く寸前にジョイントカットです。

下敷きの上からカットテープ同士でジョイント。下敷きがするっと取れる感覚はクロスに直接下敷きをつける塩ビ壁紙では中々味わえないです。

この時間配分は、試し張りをしておかないと感覚としてつかめません。

高級なクロスで試すのは惜しいですが必ず行った方がいいですね。

糊は、原液タイプの糊を。「WB100」は基本ベースです。安い糊はダメです。安い希釈糊は表面への糊抜けによる変色が起こります。

通気性が高いクロスは織物、珪藻土、その他すべて原液糊がマストです。クロス、職人の知識、糊が合わさって施工の質が上がります。

変色のリスクが低い煮糊ベースの「WB105」がベストだとは思いますが、

これは「WB100」に比べ「煮糊+ボンドの量が半端ない」為に非常に乾きやすい糊です。扱いが難しい糊ですね。

超マニアックな記事になりましたが、あくまで僕の知識をつらつらと書いただけなので参考程度で・・・。

全国にはまだまだ知識の豊富な諸先輩方がいらっしゃいます。

 

また和歌山県紀の川市粉河のその現場については改めてレポートいたします。

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